平成を語る上で欠かせないのが「AVメーカーの存在」です。令和は個人発信が主流ですが、平成はまさに「メーカー戦国時代」。各社が特色を競い合い、そこから数々のスター女優や名作シリーズが誕生しました。メーカーが市場を牽引し、ユーザーが「今日はどのメーカーを借りようか」と考える──そんな時代だったのです。
SOD(ソフト・オン・デマンド):企画の革命児
平成のAV史を語るなら、まず外せないのが SOD(ソフト・オン・デマンド)。
彼らは従来の「単にエロい映像を撮る」AVから、「企画力勝負」のAVへと大転換を起こしました。
- 「バスツアーAV」
- 「素人参加型企画」
- 「ガチンコ対決系」
など、テレビのバラエティ番組さながらの発想をエロに持ち込んだのがSODの革新。
また、当時はタブー視されていた企画にも挑み、エロの裾野を広げました。ユーザーに「次はどんな企画で攻めてくるんだ?」とワクワクさせたのがSODの強さです。
アリスJAPAN:女優ブランドの象徴
SODが企画で攻めたのに対し、アリスJAPANは「女優を輝かせる」ことに徹しました。
美人女優を看板に据え、ハイクオリティな撮影と演出で「女優=ブランド化」を成功させたのです。
飯島愛、及川奈央、桜樹ルイ──平成を彩った名だたる女優たちがアリスJAPANの看板を背負いました。
ファンは女優目当てで作品を追いかけ、メーカーと女優の相乗効果で一大ブームを築いたのです。平成は「AV女優がアイドル化」した時代でしたが、その流れを牽引したのがアリスJAPANだったと言えるでしょう。
MOODYZ:総合力で攻めた巨艦
平成後期、勢いを増したのが MOODYZ(ムーディーズ)。
SODの関連グループとして誕生したこのメーカーは、企画・女優・シリーズものをバランスよく展開し、「総合力」で攻めたのが特徴です。
特に「巨乳もの」「痴女もの」「凌辱もの」といったジャンルを徹底強化し、ユーザーのフェチを満たす作品を次々と投入。平成後半においては、まさに業界の王者とも言える存在感を放ちました。
多様化するユーザーニーズに応えられる体制を作ったことで、令和のサブスク時代にも強く生き残っています。
その他の注目メーカー
- アイデアポケット:女優を美しく撮る路線。高画質&高級感でコアなファンを獲得。
- マックスエー:女優の新人発掘に定評。平成中期のヒット女優を数多く輩出。
- KUKIグループ:アニメ調のパッケージで一世を風靡。平成オタク層に刺さった。
- 宇宙企画:80年代から続く老舗。平成でも一定の地位を維持し、伝統のブランド力を誇った。
このように、平成はメーカーごとに明確なカラーがあり、ファンも「俺はSOD派」「やっぱりアリス派」と派閥のように語り合ったのです。
女優とメーカーの相乗効果
平成では「女優=商品」ではなく「女優=ブランド」へと変化しました。
人気女優がメーカー専属になることで、ユーザーは安心して「このレーベルならハズレなし」と信頼できる。女優とメーカーが互いを押し上げる仕組みが完成していたのです。
この相乗効果によって、「女優追い」から「メーカー追い」へ、そしてその逆も成立する市場が形成されました。エロが単なる消費財ではなく、カルチャーへと昇華したのが平成AVの大きな特徴です。
まとめ:メーカーが文化を作った時代
令和のエロは「個人発信とAI」が主役ですが、平成は間違いなく「メーカーと女優」が時代を作りました。
SODの企画力、アリスJAPANの女優ブランド、MOODYZの総合力。これらの競争と協調があったからこそ、平成は「エロの黄金時代」と呼ばれるのです。
エロが産業として成熟し、文化として受け入れられるまでの流れ。その礎を築いたのは、平成のAVメーカー戦国時代だったのです。
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